HARLEY of SCOTLAND <ハーレィ・オブ・スコットランド>
スコットランド北部、北海沿岸のビレッジ、ピーターヘッドにある1929年創業のニット・ファクトリー。
当店では、シェットランド原種のVoeTrueShetlandという貴重な無染色ウールの無縫製ニットを特に大事に売っています。
4plyは4色です。White, Silver,Fawn, Grey。38,500円。

従前原稿を流用しますので、わかっている方は文末の在庫表のところまで飛んでいただいても構いません。
11年目です。おんなじ物がよくこれだけ続くものだと、自分でも驚くほどですが、それだけ続く理由は、みんな一枚では終わらない、ということなんです。
だからこちらも調子に乗って、6色持とう、を呼びかけたりしています。
ハーレィHarley of Scotland ,Voe True Shetlandのシリーズです。
カタチは一つだけ、丸首プルオーバー。継ぎ目のないシームレス・ホールガーメント。
糸も一種類だけ、シェトランドシープの産毛で、染めてないナチュラルの糸、VoeTrueShetlandという登録名を持っています。
糸の太さが3種類。2plyと1plyと4ply。プライplyというのは撚り(より)のことで、2本撚り、1本撚り、4本撚り、という意味です。
色はどのplyも6色あり。どれも染めていない羊本来の色です。White(ホワイトシープ)、Silver(シルバーシープ)、Fawn(子鹿の肌色)、Moorit(ムーアの台地)、Grey(グレーシープ)、Black(ブラックシープ)。
つまり、3つの太さ、6つの色、で、3×6=18種からの選択です。
今年のサイズ展開は、38”(メンズS)から44″(メンズLL)の4サイズです。
以下も過去の原稿を流用修正しつつ、解説します。
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さて、4ply。
4本撚りですから、当然厚手になります。温暖化の進む日本の環境下では2plyで十分でしょ、4plyはオーバースペックではないか、という声もあります。
また、厚手なら、アランセーターもフェアアイルセーターもガンジーセーターもあるじゃないか、ともいわれます。
しかし、シャツでも言えることですが、太い糸で2-3本取るよりも細い糸を4本取るほうがふんわりと柔らかい風合いになるわけでして、
厚手なのに柔らかくて無地で無染色のセーター、というのは、これまた存在意義があると思うわけです。
2,025年の4plyの展開は4色です。
色の説明、サイズ感、などは、2plyの項もご覧ください。
また1plyの項目はこちらです。
4plyは重量があるので、自重で少し伸びた感じになってます。
2plyよりも少し大きく仕上がっているのでご注意ください。
※White

絶対に透けない、真っ白ではなくて、黄みがかったナチュラルです。
袖や裾のリブ編みも4plyだけ模様のような編み方です。
40”を着ても2plyの時ほどピタピタにはならないです。やや大きめ仕上がりと捉えてください。
※Silver

※Fawn

子鹿の色です。
4plyの42"だと着丈が長くなり、寸胴感が出ますね。
※Grey

グレーと言うよりセピア色のチャコールです。
4plyだとかなりガバガバな感じがします。
さて、毎年のことなのでおなじみになりましたが、
Voe True Shetland について、もう少し詳しく話します。

実はかつての店の裏スペースにこんなポスターが貼ってありました。
ある方から譲ってもらったもので、シェットランドシープ63種が描かれています。
このポスターを制作したShetland Sheep Breeders Groupのサイトから
参考になる話がいろいろあります。
Voe というのは、Shetland本島にある固有の地名でも存在しますが、
一般名詞として、フィヨルドのような深い入江を指す言葉です。

で、このいくつもあるシェトランド島のvoeの一帯で、育てられているこのポスターのようなシェトランドシープのバージンウールだけを手作業で丁寧に刈り取って羊毛糸にしたもの、
それが、Voe True Shetland です。
一般的なシェトランドシープは割と硬めの風合いなのですが、
Voe Trueは子羊のバージンウールですので細くて柔らかい、独特の味わいが生まれます。
この羊毛を一躍有名にしたのが、1953年のエベレスト初登頂で、
ヒラリー卿が下着のように着用していたセーターがこの羊毛でできていました。
シェトランドシープには、ポスターのようにいろんな色の羊がいますから、いろんな色ができるのですが、
これを1927年に統一した基準を作り、12の色に分けることになりました。
もちろんどれも染めていない羊本来の色です。
今回仕入れた6色もこの12色のうちからVoeTrueShetlandのブランドが採用を決めた色となります。
ココ、大事なことです。つまりVoe True Shetland には無染色のナチュラルカラーしかないのです。赤や緑のカラフルな色は存在しません。
ところが、です。Voe True Shetland で検索を掛けると、いろんなセーターが引っ掛かります。これは、いろんな人がろくに調べもしないで安易に人の書いたものをコピペして流用し、しかも誤った適用をしたことから起こったことです。
ちゃんと調べればすぐにわかることなのに、それを怠っているのです。
もう一度言います。Voe True Shetland に、染めた色はありません。白も黒も例外ではなくこれも無染色なんです。
それから、HarleyではVoeTrueShetlandの羊毛以外にもいろんな羊毛を使ったセーターを製造しています。一番多いのはShetland Woolを模したsupersoftという糸で、これにはとてもたくさんの色があって、その中にはVoeTrueととてもよく似た色もあります。しかし当然ですがそれはVoeTrueとは異なるものです。
Voe True Shetlandで編んだセーターには必ずVoe True Shetlandの提げ札が付いています。
Harleyのセースルパーソンに聞いた話ですが、
Harleyの取引先は世界で300社ぐらいあり、そのほとんどが主力商品のsupersoftを中心に扱っていますが、VoeTrueShetlandの糸を採用しているのは世界でも30社ぐらい、とかなり少ないらしい。
カタチも色も限られていて毎年同じものばかりだから、バイヤーにとっては魅力が乏しいのでしょう。
中でも、他のものには目もくれず、VoeTrueだけの一本槍、というところは、彼いわく、
世界でもおそらくJackNozawayaぐらいのものだろう、という、言葉をいただきました。
コレ、自慢してもいいですよね。
<下記の色サイズに表示されないものは在庫がありません。ですが、毎年同じものを続けていきますので、次シーズンでよければ、どの色どのサイズでも随時ご予約を承ります>